こんにちは、不登校セラピーと子供自信協会の新井てるかずです。

 

もう夏休みですね。

夏休みの間は、おそらくお子さんに大きな変化は見られないので、親御様がご自身の考え方を、時間をかけて、変えていくいい機会でもあります。

 

どういうふうに変えていくことがいいのか?

 

夏休みに変えた方がいい考え方のお話をしていきたいと思います。

 

どういうふうに変えていくのかがいいのか?

変えたほうがいい考え方の大きな問題はスイッチです。

 

・イライラのスイッチ

・不安のスイッチ

・嘆きのスイッチ

・怒りのスイッチ

 

スイッチは、挙げ始めると切りがありません。

こういったスイッチが入った状態で、お子さんに共感することはできるでしょうか?

 

もちろん、共感することはできません・・・

だから、不登校の改善には、スイッチを切ることがとても大事になります。

 

前提として、理解しておいてください。

 

不登校は親の頭の中で起きます。

これをお読みの親御様は、自分ごとと捉える視点で取り組んでください。

 

代表的な親御様の考え方「強くあらねばならない」

今日は先週の予告通り、代表的なものの一つをお伝えします。

 

「強くあらねばならない」

 

ここでいう強さとは、さまざまな困難や問題を自力で克服する力です。

 

人に頼らず、手を借りずに、この厳しい世の中を渡っていく力という意味です。

 

この強さを求めるというのは、実はその強さがないと問題解決ができない。

あるいは人の手を煩わせることになるということへの不安の表れなのです。

 

そうやって問題解決ができなかったり、人の手を借りること自体が弱さの象徴であり、この弱さを嫌っているのです。

 

なぜ、弱さを嫌うのか?

そこには、弱い人間は人から見捨てられると思っているからです。

強さは他人にとって役に立つものであるため、弱いと嫌われ、見捨てられると思っているんです。

これを「役立たず不安」と言います。

 

この弱いと人から見捨てられるという不安にかりたてられて、子供に言葉がけや接し方をしているために、実は、同様の不安を子供にうえつけています。

だから、子供も不安を感じてしまい、不登校になってしまうのです。

 

「学校で人の力を借りねばならないような、人の手をわずらわせるような問題を起こすとみんなから見捨てられる」

 

つまり、お子さんの不登校の原因である「役立たず不安」は、親から伝わるため、子供の不登校を解決しようとするのであれば、親が弱さを否定したくなるというスイッチを切らなければならないのです。

 

どういうときに弱さを否定するのか?

ここで何度も弱さという言葉を使っています。

実際にカウンセリングをしていると、弱さはさまざま具体的な言葉に変わります。

 

例えば

 

・ピアノ教室までせっかく車で連れて行ったのに、車から降りようとしない。

先生に迷惑をかける。

 

・間違いを指摘した点は直したが、それ以外の点に間違いが見られた。

ちゃんと考えていない。

 

・自分から行きたいと言った野球チームにだんだん遅刻するようになった。

チームのみんなに迷惑をかける。

 

・朝友達が誘いに来てくれる。

それに対して一切、応答しようとしない。

 

・とにかくよく泣く。

 

・大人の指示、指図が聞けない。守れない。

 

・物事への取り組みがのんびり、だらだらしている。メリハリがない。

 

・宿題や課題をいつもギリギリに取り組む。

 

これ以外にも無数にありますが、よく聞く例を挙げてみるとこういったものがあります。

我が子がこのような弱い状態にあることは、親たちにとって、自分の存在を全否定されたような感覚になってしまうのです。

その存在の否定が、人から見捨てられる不安、「役立たず不安」につながるのです。

だから、親はそこから逃げたくて、怒りやイライラ、不安のスイッチが入るのです。

 

では、なぜ人から見捨てられるという不安になるのでしょうか?

それは突き詰めると、親が祖父母の価値観に合わないことをしているためです。

子供がそのような状態になるということは、親にとって、祖父母の怒りに触れたり、何らかの感情をぶつけられたり、あるいは祖父母との心と心のつながりが切れる、通じあわなくなるという不安に結びつくからです。

(これ以外の祖父母のパターンもありますが、9割ぐらいのパターンがこれになります。)

 

したがって、このスイッチを止めるには、あなたがいったい誰を満足させたくて、イライラしているのか?

誰を不安にするのが怖くてイライラしているのか?

そしてそれは本当に祖父母なのか?

 

祖父母だとしたら、祖父母との関わりの中で、どういった記憶が原因となっているのかなどを丹念に考えていくと、祖父母の記憶と子供に対するイライラのスイッチをつなぐ回路が見つかります。

この回路を見つけ出して、止めることができれば、スイッチも切ることができるのです。

 

具体的なスイッチを切る方法については、個別の状況によって異なるので、子供自信協会が主催する魔法ことばベーシック講座で、直接ご指導させていただいています。

 

早くそのスイッチを切って、親御様自身が楽になり、お子様が幸せになることを願っています。

 

これと同様のスイッチに

 

「考えろ!」

 

というスイッチがあります。

 

親が怒りやイライラや不安を表すことは、子どもに「考えろ!」というメッセージを与えているのです。

だから、お子さんは考えて、考えすぎた結果、動けなくなったのです。

これについて次回、詳しくお話ししたいと思っています。

 

ホンモノ共感とプラス言葉クイズ「時間がどんどん過ぎていく・・・」

時間がどんどん過ぎていくという言葉は、不安や焦りが増えていくことを如実に表しています。

 

これを言い換えると

 

「みんなに追いつけない」

「集団からどんどん遅れていく。」

 

という不安なのです。

 

そして遅れをとっていく自分が集団からは理解も共感もされず、みんなの気持ちが自分から離れる。これがお子さんの不安の本質なのです。

 

前回のクイズには、5名から回答いただきました。

本当にありがとうございます。

そして、ちぃちさんとみゅのさんの回答が正解に近かったです。

 

ホンモノ共感とは、この辛さ、不安、焦りに寄り添ってあげることです。

つまり、その辛さ、不安、焦りを私は理解していることも伝えることが大事なんです。

「わかります」という言葉が含まれていることがホンモノ共感として望ましいのです。

 

私が考えるホンモノ共感の一例としては。

「どんどん時間が過ぎていくと、みんなにもう追いつけないって、不安になっちゃうんだよね。」

 

他に考えられるホンモノ共感としては

「行きたいけど、行けない。行けないことで、どんどん無駄な時間を過ごしているって感じちゃうんだよね。」

 

また他の一例としては

「時間が過ぎれば過ぎるほど、みんなのところには戻れないって不安になっちゃうんだよね。」

 

こういった言葉が考えられます。

みなさんがお子さんの不安や苦しみを理解して、できれば言葉で触れてあげてください。

 

今回のホンモノ共感とプラス言葉クイズ

「子供が学校へ行こうとしない。全く動こうとしない。」

 

お子さんの全く動かない姿を見た親御様が、怒りも焦りも不安も諦めも、すべてごちゃまぜになった状態で、つい言ってしまうことありませんか?

 

「行く気がないならやめてしまえば」

 

こういった状態に対して、どういったホンモノ共感をしますか?

「行く気がないならやめてしまえば」をプラス言葉に変えてもらっても結構です。

 

この状態は不登校の初期であれば、親のスイッチがバンバン入る典型的な場面です。

そこでスイッチを切って、ホンモノ共感に変えられるよう考えてみてください。

 

大事なのは小手先のテクニックではなく、お子さんの心に寄り添ってあげる姿勢です。

ホンモノ共感とプラス言葉のクイズで、それを考え、身につけていってください。

 

次回7/25(水)にブログにコメントいただいたものに、私のホンモノ共感の考え方をお伝えします。ぜひこの機会を活用してください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。