こんにちは、不登校セラピーと子供自信協会の新井てるかずです。
もうすでに多くの学校では、夏休みに入りました。
多くの親御様は、イライラと不安モードに入り始めたのではないでしょうか?
「今から計画的に宿題に取り組んでいけば、あわてなくてすむのに・・・」
「学校があってもなくても、家にいたら、ずっとゲーム三昧。
何も変わっていない・・・」
「もう直ぐ進学があるのに、内申や評価のことを気にしている様子がまったくない・・・」
これらのイライラや不安に任せて、子供と話し合ったり、子供とすでにぶつかっている親御様もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は、これによって、ますますお子さんの状態が悪化していくのです。
なぜ、悪化するのか?
親が怒りやイライラや不安を表すことは、子どもに「考えろ!」というメッセージを与えているからです。
「なぜ、あなたは考えないの?」
「ちゃんと考えるべき。」
「もうちょっと、ちゃんと考えたらいいのに・・・」
というメッセージを伝えています。
そして、子供に「考えねばならない。」という強い強迫観念を刷り込んでいるのです。
ほとんどの不登校の親は、とにかく子供をよく怒ります。
イライラや怒りをぶつけたことがない親は、いないはずです
不登校の鍵となっていた親の怒り
あるケースの不登校で、重要な鍵となっていたものにも、親の怒りがありました。
そのお子さんが小学生の頃、家の中で興奮して動き回っていた時に母親にぶつかりました。
母親は烈火のごとく怒り、子供が泣いても許しませんでした。
子供が自分の部屋で泣き続けた後、そっと母親と会いに行くと、母親はまた猛烈に怒り、説教を始めました。
このケースは典型的に子供に強迫観念を刷り込んでいます。
「なぜ、あなたはちゃんと考えないの?
家の中で走り回ったらぶつかって危ないってことぐらい、考えたらわかるでしょ!」
この強迫観念は、のちの不登校の大きな原因となりました。
こういった暴力的なもの以外にも、よく言いがちな言葉で、「考えねばならない。」という強迫観念を刷り込んでいるケースがあります。
「何でそれを買ったの?」
子供が買ったものを問い詰めたり・・・
「なぜそんなことを選ぶの?こっちの方がいいじゃない。」
何か意思表示した子供の考えを変えさせようとしたり・・・
「なぜそんなことで迷うの?ちゃんと考えたらいいじゃない。」
子供が何かで迷っているとその迷いを否定したり・・・
これらはすべて「最適な選択肢を考えなさい。」「私の考えに合う選択肢を考えなさい。」というメッセージを子供に与えます。
そして、子供の自分自身の思考に対する自信を失わせ、不登校の原因となるのです。
そして、さらなる厄介な問題も引き起こします。
「考えろ!」が引き起こす厄介な問題
正しいことを考えていない人間を見下し、毛嫌いし始めるのです。
そういった人間が許せなくなるのです。
それらの人間は、母親から刷り込まれた考えに背く人間であり、彼らにとって大罪人になります。
そういった人間にいじめられると、一気に不登校になり、学校の人間全員を毛嫌いし始めます。
これら問題を引き起こす原因である親に共通するのは、ホンモノ共感のなさです。
親が自分の思考がすべて正しく、それを伝えなければという不安に苛まれているのです。そして、家族や子供に対して、とても傲慢な接し方をします。
「自分が正しいのだから、子供の言うことは聞く必要がない・・・」
これには当然、ホンモノ共感はありません。
「考えないことは、間違ったことであり、それを許すことができない。
それを正しい方向に導くことは正しい道である。」
このような正しい道に子供を導いていくうちに、子供が不登校になるのです。
今回の「考えろ!」を「強くあらねばならない」に置き換えると、前回と同じになります。
「強くあらねばならない」
前回の「強くあらねばならない」に関して、お一人からコメントをいただきました。
匿名さんが「強くあらねばならない」を正しく体現する生き方をされています。
文章を読む限り、母子家庭ですね。
中学のお姉ちゃんは不登校、弟はゲーム依存とテレビ中毒、完全な負の連鎖です。
このようなコメントを差し上げるのは大変失礼かもしれませんが、せっかくいただいたので、私からコメントをさせていただきます。
とてもとても大変な生活を送られていることと思います。
お子さんの大学入学まで、稼がなくてはならないとありますが、お姉ちゃんは不登校、弟も近い将来、不登校になりえます。
大学入学は、このままだとありえないかもしれません。
そして、色々なことを書かれていますが、この文章からは「外部の環境が厳しいから、私は“強くあらねばならない”」と言いたいように思います。
これは私の目からは、とても疑問です。
匿名さんが「強くあらねばならない」ので、母子家庭で強くいなければならない状況を作り、「強くあらねばならない」ので、強くいなければならない職場を選んでいるように見えます。
これが強さのスイッチ全開で生きてきて、その代わりに苦しみを背負いこんで来た不登校の親の典型的なパターンの一つです。
頑張って、人から評価されて、自分の幸せという自分基準がまったくない典型的な不登校の親なのです。
演じることができたらとありますが、その考えこそ、子どもをさらに苦しめます。
負の連鎖を断ち切るために、なぜ根本的に変わらないのでしょうか?
ホンモノ共感とプラス言葉クイズ
前々回のクイズに対して、宮田園子さんからコメントもあり、とてもよい共感の言葉でした。
そして前回のクイズは「子供が学校へ行こうとしない。全く動こうとしない。」ということに対して、どういったホンモノ共感をするのか?
もしくは「行く気がないならやめてしまえば」をプラス言葉に変えていただくもので、4名からコメントを頂戴しました。
実は、コメントの全員に大きな問題がありました。
提案するのが早すぎる問題でした。
ホンモノ共感が、ほんの一部で、まるで提案したいがために共感しているようにも見えました。
休むことをすすめれば、まだマシな提案と言えますが、ホンモノ共感とは、前にも後ろにも進めない、その状態にじっと横に並んで寄り添い続けることです。
みなさん、おそらくガマンがきかないのではないでしょうか?
みなさんの回答がどのくらいの時間感覚で書かれたのかわかりませんでした。
1時間ぐらいの時間感覚であれば良いのですが・・・みなさんが、早く状態を解決したくて、仕方ないようにも見えました。
それはホンモノ共感ではありません。
「休むかい?」と聞くこと自体はかまいませんが、ホンモノ共感は状態を解決させることが目的ではないのです。寄り添うことが目的なのです。
そして何名かの方の答えに「考えろ」という言葉がついていました。
内容的にはそれほど悪い意味での「考えろ」ではなく、おそらく早く気分を切り替えなさいという意味だと思われます。
これもこの状況にはふさわしくありません。
だから、もう一度、同じ問題を出します。
みなさんのお子さんだと想定して、状態にじっと横に並んで寄り添い続けるとしたら、どんなホンモノ共感の言葉をお子さんに伝えるか?
もう一度、考えてみてください。
大事なのは小手先のテクニックではなく、お子さんの心に寄り添ってあげる姿勢です。
ホンモノ共感とプラス言葉のクイズで、それを考え、身につけていってください。
次回8/1(水)にブログにコメントいただいたものに、私のホンモノ共感の考え方をお伝えします。ぜひこの機会を活用してください。